私は10年後、60代になっても「好きな仕事」で食いたいと思って、中小企業診断士資格取得のために勉強しています。
何もしないで60代になっても仕事はあると思いますよ。選ばなければ。
しかしその多くは警備だったり、清掃だったり、軽作業だったりと、単純労働の仕事でしょう。
職業に貴賤はない。といいますが、正直にいってあまりやりたくない仕事です。
賃金があまり高くない、時間を切り売りする仕事です。そして体が動かなくなれば一気に収入を失ってしまう。
しかし労働市場では何の取柄もなければ、60代に期待される仕事は上記のような仕事でしょう。
団塊ジュニア世代の私は、同年代が多く、仕事についての激しい競争が待っているのは目に見えています。
60代以上になっても、社会的地位があり収入も高いポジションで仕事をしている勝ち組シニアは限られています。
勝ち組シニアを観察すると、目立つのは天下りの人です。
天下りでいいポジションにいる人は前職でいいポジションにいたという実績と人脈を備えています。
それがない私のような50代男性が、勝ち組シニアになるために手段として考えたことが、資格をベースにした独立と人脈作りでした。そのように考えるにいたったのは次の本を読んだからです。
しかし、中小企業診断士を取ってから食うためにはどうしたらいいのでしょうか。
中小企業診断士は独占業務もないですし、コンサルタントって誰でも名乗ることができます。
資格をとっても食えないのであれば意味がありません。他の資格の勉強に切り替えたほうがいいのではないかと思ってしまいます。
実際、私も一時社会保険労務士取得に浮気した経験があります。
そこで、中小企業診断士資格取得後を見据えて、勉強の合間に食える中小企業診断士になるためのリサーチをしています。
中小企業診断士の仕事は補助金獲得関係が多い
リサーチは、独立している中小企業診断士にヒアリングしたり、クラウドソーシングサイトで調べたりしました。それについては下の記事でまとめています。
他にも商工会議所や自治体が運営している中小企業支援機関に行って、中小企業診断士の活躍シーンについて情報収集できます。
私がいろいろとリサーチした結論は、中小企業診断士で食うためには、まずは補助金獲得関係からはじめる。ということです。
中小企業診断士で食えるようになるためには、クライアントである中小企業の抱える問題解決ができるようになることですが、企業の抱える問題はつぎの3点に集約されると思います。
・売上アップ
・資金調達
・人の問題
これらの問題を解決するためにはアイデアもそうですが、補助金や助成金といった公的支援が豊富に用意されているのです。
中小企業の問題解決のツールとして、補助金・助成金活用の提案ができることが、中小企業診断士に最初に求められるスキルと言えるでしょう。
補助金については、下記記事の本がくわしいです。
書評・要約「日本一わかりやすい個人事業主・中小企業のための補助金獲得の教科書」尾上昌人
書評・要約「中小会社で活用できる『補助金』のことがわかる本 吉野智成・小島健太郎著
補助金は申請すればどの会社でももらえるわけではありません。
財源は我々の支払う税金ですから、審査がされ、申請が採択されてはじめて獲得することができます。
そして採用されるときに重視されるものが、申請書類の中の「事業計画書」なのです。
事業計画書の出来不出来が、補助金獲得の採択に影響しますし、事業計画書の審査は中小企業診断士が担うことも多いようです。
つまり、事業計画書を作成したり、読むことができるスキルが中小企業診断士には求められることになります。
事業計画書を理解するためのおすすめの本
事業計画書は補助金獲得のための必要な書類ではありますが、それが本来の目的ではありません。
社内外の関係者で共有して、組織目標を達成するために一致して行動するための道しるべとなるものですし、金融機関から融資を受けるときの説得材料となるものです。
事業計画書が理解できない経営コンサルタントなんてありえない。というものでしょう。
しかし、企画関係の仕事でもしていないと、事業計画を作成したり見ることもないと思います。私もそうでした。
そこで、事業計画書について本で勉強しようと、私はいろいろと本を探しました。
中小企業診断士になろうとしている私にとって、もっともわかりやすかった本は、CD-ROM付 これ1冊でできるわかる事業計画書のつくり方 (これ1冊でできる・わかる)です。
著者の渡邉卓さんは中小企業診断士の方ですので、実務のイメージで書かれていると推察できます。
中小企業診断士の学習過程で出てくるSWOT分析と財務諸表の知識を使って、どのように事業計画書の作成に結び付けていくのか、手順にそって、非常にわかりやすく書かれています。
簡単に要約を書くと
・SWOT分析で、強みと機会から、新事業となりそうな芽を見つける。
・新事業の芽について、各種調査やデータで大きなビジネスになるか根拠づけする。
・最も重要な書類は、新事業を行った結果の「目標損益計算書」である。新事業を行ったことで数年後にどの程度の利益を得られるのか予算を作る。
・当初は赤字であろうが、黒字化するまでに資金不足にならないのか、予測キャッシュフロー計算書も併せて作成する。
という流れで事業計画書をつくることになります。
発行された年は2007年なのでちょっと古いとは感じますが、実際の事業計画書を作成するうえでも、手元において使える本だと思います。