書評・要約「親も自分もすり減らない!? シングル介護術」さらだたまこ

今日は、さらだたまこさんの「親も自分もすり減らない!? シングル介護術」をご紹介します。

作者のさらだたまこさんは放送作家で、女性のライフスタイルや食文化などの著書も多くある方です。

彼女はひとりっこの独身女性でいわゆるパラサイトシングルでもある方だったのですが、50代に入り仕事が充実し、恋愛もまだまだ現役というところにいっぺんにやってきたのが両親の介護だったということです。

性別の違いはありますが、私も50代独身であり、境遇は似ています。

私の両親は70代後半でいつ介護が必要になるかわかりません。

充実したセカンドキャリアのためには、知識やスキルを磨いたり、人脈を築いたりといろいろとすることはあるのですが、親の介護がはじまってしまうとこういうことに十分な時間が割けなくなります。

両親の介護が始まってしまったらどうするか、想像したくはありませんが、備えておく必要はあります。

この本はひとりっこの50代独身女性が、両親の介護をどのように乗り切ったかの体験談であり、アドバイスも満載です。

リスク管理のつもりで読んでみました。

この本を3行で要約

・両親の介護は突然起こる。

・医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネージャーを頼りにする。

・老人ホームについて情報収集しておく

こんな人におすすめ

・親が70代を過ぎている人

・介護への備えの必要性を感じている人

親も自分もすり減らない!? シングル介護術

要約

急性期

・心の準備ができないうちに、介護は突然やってくる。

・かかりつけ医をもつ。親のかかりつけ医を把握しておく。

・親の健康保険証のありかを把握しておく。

・健康保険で医療費はだいたいカバーできるが、入院時の差額ベッド代は健保の対象にならない。部屋のスペックにもよるが、一日1万円以上する場合もある。最低1日5千円以上の入院給付金がでる医療保険に加入しておきたい。

・入院したら、まっさきに相談するのは医療ソーシャルワーカーである。手続きや今後のことについて親身になって相談できる。

・歩行困難な人の送迎に有効なのは介護タクシー。普通のタクシーと異なり、介護タクシーは運転手が介護士なので客の体に触れてよく、介助行為ができる。車いすのまま乗ることができるタクシーもある。

・健康保険には医療費の限度額がある。限度額適用証を事前に入手しておくと、医療費負担が限度額に抑えられる。健康保険には高額療養費制度があるので、高額になった場合はあとで還付を請求することもできる。

・入院時に退院後の介護の可能性がでてくれば、すぐに地域包括支援センターに行く。介護全般について相談に乗ってくれる。

・介護保険を使う場合のキーパーソンがケアマネージャーである。早めに探しておくといい。

回復期

・病院への付き添いなどが、時間の都合で自分でできなければヘルパーに頼む。

・ベッドでしばらく寝たきりになると筋肉が衰える。入院・通院時はリハビリは健康保険の対象で、退院後自宅で行うリハビリは介護保険の対象となる。

・自宅で介護する場合は、介護ベッドやバリアフリー工事も介護保険の対象となる。

・介護はひとりで抱え込まず、ケアマネやヘルパーなどチームで介護を行う。

疲れ期

・配食サービスを上手に使う。最近はさまざまなバリエーションがあり、療養食や透析患者に対応したメニューもある。

・自分で介護するのが難しければ老人ホームに入居させる。費用が安いのが特養だが、要介護3以上で待機者も多い。民間の老人ホームは入居費が高いが、よく探せば入居費用が抑えられる物件もある。

・介護に疲れた家族を休ませるために、「お泊りデイサービス」「レスパイト入院」という方法もある。医師の判断になるので、かかりつけ医を持つことは必要。

・お泊りデイサービスは、デイサービス部分は介護保険が使えるが宿泊費用は全額自己負担となる。

・レスパイト入院は、かかりつけ医の判断で、家族を休ませるために被介護者を入院させることである。

・サービス付き高齢者住宅「サ高住」は、賃貸住宅に住む感覚で必要な介護サービスが受けられる。ただし比較的軽度の場合を想定しているので手厚い介護が必要な場合は入居できなかったり、退去させられることもある。

・老人ホームに入居すると、これまで世話になったケアマネやヘルパーとは契約解消になり、デイサービスに通うこともできなくなるので、人間関係ががらっと変わってしまう。入居者がなじめないということもあるので気難しい人などは注意が必要である。

まとめ

ひとりっ子で両親の介護をしなくてはならない。という状況は想像するだけでおそろしいことですが、まったく起こらないことではありません。

とにかく、自分の時間がなくなることは覚悟しなくてはならないようです。

大事なことは一人で抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネージャーなど介護のスペシャリストにどんどん相談することとのこと。

かならず、解決策は見つかるのであきらめないこととのことです。

非常になまなましい体験記で、大変参考になりました。

また、今のうちに、老人ホームのリサーチもしておいたほうがいいと思いました。

親も自分もすり減らない!? シングル介護術

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